最近、「WordPress(ワードプレス)はオワコン」という話をちらほら聞くようになりました。
なぜそう言われているのか、今から学習しても大丈夫か、について考えていきます。
上のグラフは、過去15年間で「wordpress」を検索した人の割合を示しています。こうしてみると、WordPressの人気は徐々に減少しているということができます。
エンジニア視点でWordPressはオワコン
エンジニア界隈でWordPressはオワコンであると認識されているようです。その理由主に3つあります。
- 速度が遅い
- PHPは時代遅れ
- サーバーコストが高い
WordPressは速度が遅い
WordPressで構築されたウェブサイトは、PHPを介して表示されるため、純粋なHTMLやCSSで動くサイトに比べて遅くなってしまいます。
とはいえ、通信制限さえきていなければ、気にならないレベルでしょう。
ただし、これが時にGoogleの検索順位に関わってきます。Googleは、検索ワードに対して、最適な記事を上位表示させます。では「最適」の基準はなんでしょうか?「分かりやすさ」「見やすさ」など、さまざまですが、「読み込みの速さ」は2018年以降、重要な重要な基準となりました。
Page Speed Insightという、Googleが提供しているツールを使えば、Webページの読み込み速度を図ることができます。
実は、当サイトもWordPressで構築されていますが、スマートフォンに対しての速度パフォーマンスが非常に低いことが分かります。
記事の分かりやすさや情報の信頼性が同じぐらいでも、読み込みそくどが速いか遅いかで、表示される順位が変わり、結果的に集客量に差が出てしまうこともあり得ます。
PHPは時代遅れ
かつてはPHP無くしてWebエンジニアを名乗ることはできなかったそうです。ところが、現代のウェブの世界にはPHPよりも新しい技術がどんどんと増えているのです。
例えば、有名なウェブアプリケーション、YouTubeやInstagramなどのバックエンドはPHPではなくPythonで動いています。
そうなると、未だPHPで動いているWordPressは、時代とともに廃れてしまう可能性もあります。
サーバーコストが高い
WordPressでWebサイトを公開するには、当然ながらバックエンド、フロントエンド全てひとまとめにしてサーバーに設置します。
そんなの当たり前だ、と思うかもしれませんが、最近のトレンドはバックエンドとフロントエンドを切り離す「ヘッドレスCMS」です。
ヘッドレスCMSは、バックエンドのサーバー構築をいっさいする必要がなく、コンテンツの管理に集中できるサービスです。自分が気にするのはフロントエンドのサーバーのみ、つまりHTMLやCSSなどの静的ファイルの設置だけです。そうすることで、サーバー代は半分以下にまで抑えることも可能です。
こうしてみると、WordPressはweb業界のトレンドから置いてかれつつあることがわかります。ですので、これからプログラミングを学習する方にとって優先事項ではない、という意味で「WordPressはオワコン」です。
ブロガーにとってはWordPressはオワコンではない
「需要」が、オワコンかどうかを決めます。そして、WordPressほど簡単で、管理しやすく、情報が溢れているCMSはありません。なので、しばらくの間は需要は消えることはないでしょう。
例えば、個人でブログを開設する場合、プログラミングを勉強してブログを作る、なんて方は少ないはずです。WordPressでは、自分でプログラミングしなくても、綺麗なウェブサイトを作ることができます。豊富なテンプレートが存在しているからです。
そうであれば、多くのブロガーの選択肢はWordPressになるでしょう。
そして、WordPressは表示速度は遅いものの、その他の点では上位表示されやすいよう(SEOに強く)設計されています。事実、多くのWordPressで作られたブログが、検索結果の上位を保っています。
また、世界中のデベロッパーが、プラグインやテーマを無料で提供してくれているので、専門知識がなくてもクオリティーの高いサイトを構築できます。
以上のことから、WordPressに関して、2つのことが言えます。
- これからエンジニアを目指す人にとって、長期的に見れば、オワコン
- これからブログを始めようと思う人にとっては、優秀なツール
結論として、それぞれのビジョンに合わせて使えば良いということです。